Author:又市
背骨が見あたらない黄色い猿が
徒然なるままに過ぎ去った日々を
回想していくものですので
散逸していますこと ご容赦下さい
今
電車に乗っている・・・
右手に持った鞄の中には
ビデオテープが入っている・・・
駅中のトイレの洗面台で見つけた
あのビデオテープだ・・・
確かに
一度は そのままにして
その場を去ろうとした
だけど
自分の中にある好奇心が
警戒心に勝ったのである・・・
今
右手の鞄の中には
あのビデオテープが入っている・・・
何を心配する必要もない
誰が「盗った!」などと
騒ぎ立てるものか
少しくらい不審な動きをしたところで
気に止めるような
殊勝な人たちは
この都会の中にはいないだろう・・・
それも偏見か・・・
何てことを考えながらも
気になっている・・・
鞄の中のビデオテープ
何だろう・・・?
置かれていた状況は
不可解なものではあるが
存外
録画されている内容自体は
平凡なものであるかもしれない
というか
非凡なことなど無いだろう
単純に何かの番組の録画かもしれない
ホームビデオかもしれない
まあ 少し逸脱したものであっても
夜の営みの個人撮影ビデオが
関の山かも
まあ それはそれで
楽しめるかもしれないし
話のネタには
なるな
次から次に駅に停まって
どちらかの扉が開く・・・
右 左 左
右手に持った鞄の左側には
一本のビデオテープが入っている・・・
コメントの投稿