Author:又市
背骨が見あたらない黄色い猿が
徒然なるままに過ぎ去った日々を
回想していくものですので
散逸していますこと ご容赦下さい
パフュームを見た。
まあ 今更ではあるが・・・
見てみての感想はラブストーリーだなあと思った・・・。
以下 思うままに書きすぎているのでネタバレも過大にありまくりです。
観た方、あるいは観る予定はない方のみ どうぞ・・・。
主人公は、真実純粋で 至極非常に 不器用な男性だと思う。
非常に高い能力が、一般的な社会性・社会的な行動を 阻害するのかもしれないと思った。
最初に『心惹かれる香り』と思えた女性に 恋をしていたのだと思う。
主人公にとって好きになる基準は、 感情が揺さぶられる基準は 香りなんだと思う。
だけど、主人公はその感情に気づかなかった
その感情に 『恋愛』 『相手を好いている』 という名前をつけることができなかった。
名前をつけることができなかったから、その感情は存在せず、一般的にその感情に随伴する行動も生じなかった。
主人公は、自分がどのような状態であるかも分からず、彼女にどのように接すれば自分の感じた思い、理想のイメージに近づけるのか分からなかった。
どのように声をかければ良いのかもわからなかった。
ただ、ただ 自分の感情に深く食い込む彼女の香りを香り続けたかった、 彼女の存在を感じ続けたかったのかもしれない。
自分の状態が、よく分からないから、自分が混乱していたから、意図せず彼女を殺してしまった。
映像を見ている限り、ただ、他の人に気づかれるのは嫌だったから彼女の口をふさいだ。
見つかるまいとしていただけが頭にあり、結果ふさがれていた口や鼻からは呼吸することができない状態となってしまい、彼女は窒息してしまった。
主人公に彼女の命を奪う意図はまったくなかったのに、彼女は息絶えてしまった。
主人公にそのつもりはまったくなかったのに、彼には口をふさいでいたら彼女は窒息死してしまうという予測は、存在していなかったから・・・。
彼女を失った彼、彼は彼女の香りを追い求める・・・。
彼にとって、香りは唯一絶対なものだから。 主人公の目的は、ただひとつ。
『最高の香りを完成させる』
ただ、それだけである。
そのために、必要なことをする。
それは、ごく自然な流れであると思えた。
人を殺すことが目的ではなかった。
香りを作るために行う過程で死せることが必要であったから、そうした。
道徳が、欠落しているとか、人の道に反しているとか、そんなことではない。
誰も、彼にそのことを教えてこなかったから、知らなかったのだ・・・。
自分には、匂いがなかったことを知った彼・・・。
彼にとって、唯一絶対なる匂い。
世界を識別する絶対的な手段である匂い。
その匂いを自分が持っていないということは、世界に自分は認識されない、存在していないということではないかと感じた。
そう感じた彼は、自分の存在を世界に認識させるためにも、最高の香りを作ろうと試みる。
自分の最高の香りを完成させた主人公は、自分が作り出した香りの効果もすでに知りえていたと思われる。
だから、あの牢獄のときに使用したのだと思う。
大衆の前で主人公が感じたのは、自分に注目している、自分の存在を感じてもらっている、と思った矢先に香りが染みたハンカチに群がる大衆を目にしたときに、注目されているのは自分ではないという絶望、疎外感であったと思う。
結局、周囲にとって大切なのは自分の存在ではないことを、主人公は知ってしまった。
主人公は、周囲の人々の行為を見て、“愛”を知ったのかもしれない。
そして、自分が最初の彼女に抱いていた感情は、これであったのだということを知ってしまった。
そのような表現手段を用いて、彼女に自分の感情・想いを伝えるべきだったのだということに気づいてしまった。
だから、娘の父親が剣を構えたときに、彼は刺されるつもりで両手を広げた。
自分の様を知ってしまったからだ。
だだ、娘の父親も香りに負けて、主人公は許されてしまった。
彼は、また彼の思いが満たされることなく、周囲が通り過ぎていったのだ。
再び、自分の存在は無視されることになった・・・。
自分はこうしたい、周囲からこうされたいと思っていた主人公は、生まれ故郷にいた人々の姿を見て、初めてこの人たちに幸せを、愛を感じてほしいと思った。
そうして、香りと自分の身を捧げたのだと思う。
その気持ちに少し、自殺願望も含まれながら・・・。
映画を見終わった後に、小説も併せて読んでみた。
どうも、主人公の印象が映画と違う。
映画と原作はやはり 違うらしい・・・。
小説では、主人公は時に自覚している。
自分は悪いことをしていると・・・。
原作者は、どうも主人公を悪のように表現している。
だけど、私が映画から受けた印象はちがっていた。
もちろん、作り手がちがえば、異なりも生まれるし、受け手の受け方も様々であろうから、当然の結果ではあろう。
個人的には、私は映画の方が好きです。
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